連載 9 ストレスによって失われる栄養
「ストレス社会」といわれる現代ですが、ストレスが体にかかると、膝や肘の関節が痛くなることがあります。ストレスによって放出される成分が起因して結合組織の成分であるコンドロイチンが分解して流出するのが痛みの原因といわれています。
結合組織にある軟骨などの成分が多く含まれる食品は、フカヒレや豚・牛の軟骨などといわれています。ストレスが多いと感じている方はコンドロイチンなどの成分が含まれた食品を意識して取ると良いでしょう。
また、ストレスで身体組織が分解されるときに尿酸がつくられて尿に排泄されますが、これがうまく排泄されないと尿酸値が上昇しやすくなります。尿酸の蓄積が原因で発生する痛風がストレスで悪化するのはこのためです。
体はストレスがかかったときに副腎皮質ホルモンを分泌させて体を守るようにしています。副腎皮質ホルモンの生産にはビタミンCが欠かせないため、副腎には体のどこよりもビタミンCが豊富にあります。ビタミンCはストレスから体を守る主役といっても良いでしょう。
他にストレスから体を守る栄養としてカルシウムやマグネシウムも必要といわれています。一般的には骨や歯をつくるためというイメージがありますが、神経の興奮を鎮め、血管の収縮や筋肉活動、ホルモン分泌などにも必要とされています。
ビタミンDも合わせて摂るとカルシウムやマグネシウムの吸収がよくなります。ストレスに立ち向かうには、ビタミンC以外にもバランス良く栄養を摂ることが必要となります。